コードの本当の意味とは

コードの本当の意味とは

作曲や編曲を少しでもやってみたことのある人ならコードというものに出会ったことがあると思うんです。CCmC7…といったいろいろなコードの種類を覚えるのも大変ですが、それが繋がったコード進行もありますし、恐ろしく理解するのが面倒なシロモノです。一方で一度覚えてしまった人は新しいコード進行を模索してみたり、変わったコードアレンジができないか?と興味の幅は初心者とはまた少し違った方向にも進んでいくようですね。ここではある程度コード進行を勉強してみたが、その後、どうすればいいのか考えている中級者に焦点をあててみたいと思います。

コードに縛られる!

コードはご存知の通り、大文字のCD…といったルートの音が基本になった和音の事ですよね。実はコードを決めて書くというのは知らず知らずのうちに楽曲のアレンジに制限がかかってしまっていることを存知ですか?

例えばコードを決めて書くとベースの音はルートを基本にしているので、そこに縛られていると気づかないことが多いんです。そのため、ベースのフレージングが単調になったりルートの音が連打されるだけになっていたりしませんか?もう少しベースに動きが欲しいけれどどうすればいいのかわからなくなっているのは、実はコードに縛られた書き方をしていたということがあるわけです。

その他にも気づきにくいこととしては、コードをいわゆる「白玉」(長い音符)にしたり、同じアクセントのストロークコードを入れてから曲を書くことがあると思うのですが実は、これ、リズム感を固定してしまっているのですね。よく「とりあえず」という気持ちが働いて、コード進行を決めてコードを入れると最後までそのリズム感に楽曲が引っ張られていくことが多いのです。例えば、4/4拍子1拍目にコードが入っていると途中でシンコペーションしにくくなったり、メロディーが必ず1拍目からアクセントのあるものを書いてしまったり。もちろん、メロディーを先に書いている場合は別だったりするのですが、伴奏パートを作ってからメロディーを入れるタイプの書き方をすると、意外にコードのリズム感に支配されてしまったりするのです。

縛られているのはそれだけ?

実はそれだけにとどまらず、コードは和声を司っているのでメロディーラインと合わせたときに同時に鳴らすと響きが良くないとされるavoid note を発生させる可能性があることになります。(avoid note とはCというコードに対してF音だったりします。詳しくは音楽理論で調べてみてくださいね。)もし、仮にコードを鳴らしていなければ、そういったavoid noteなど気にする必要もないですよね?

つまり、コードを置くということは、ルートの音を固定することでもあり、リズム感を決定することであり、メロディーラインに制限を設ける、といったことなのです。あれ?どんどん制限が増えていっているように感じますよね?それでもどうしてコード進行を気にしてコードを入れちゃうんでしょうか……。

それでもコードは必要に感じる理由

音楽のアレンジ上、コード(和声)を置くことで広がりや豊かさを与えることになるからです。そのため、コードを入れようとするのですが、作曲や編曲を始めた頃を思い出してみましょう。「ベースとドラムとコードとメロディーがあれば何となく完成したような気分になれる」というところがあったのではないでしょうか?そこが本音だったりしません?

それほどに、コードを入れれば楽曲が安定して聞こえるのでいろいろと知りたい!と思うのですよね。よくわかりますよ、その気持ち。

発展的に考えるには

しかし、中級者ともなってくれば、そこはもう当たり前。同じやり方で書く曲がそろそろマンネリ化してくると感じませんか?そもそも、人が音楽的に気持ちよく感じるコード進行なんて組み合わせはそんなにたくさんあるわけじゃないですよね。複雑なテンションコードをいくら知っていても、大文字のルートを基本とした単調なベースラインとコードのリズムに支配されたアレンジでは、発展的な内容になるよりも、むしろ、アレンジを限定的にしてしまいます。そこで……

コードはもういらない?!

そんなに音楽のアレンジ幅を限定的にするものであれば、もうコードなんていらない!…とは言いませんが、少なくとも制約を付ける可能性があるものであることは覚えていていいのではないかと思います。例えば、ライン(メロディーラインやベースライン)中心で書く曲というやり方もあります。クラシック系の人であれば、対位法のような考え方と言えば馴染みあるでしょうか。対位法といっても別にバッハのような曲を書くためのものではないですよ。ポピュラー音楽においても、Funkのようにベースラインとメロディーラインが存在を強め、いわゆる「白玉」のコード感のようなものが少ないジャンルだってあります。ロックで言うならば、ギターリフがメインの曲、というとイメージしやすいでしょうか。

大胆な発想で発展

最初からラインで書くというには勇気がいると思います。そこで、一旦入れたコードパートをトラックミュートしてみるとどれぐらいコードに依存していたかがよくわかると思うので一度試してみましょう。もちろん、アルペジオやギターのコードに由来するリズムパートもミュートするのですよ。そうするとベースラインの単調さ、リズム感の単調さ、メロディーや掛け合いとなるオブリガードの単調さ、などなど露呈してくるものもたくさんあるはずです。

何もかも単調である、ということがダメじゃないんですけれど丸裸にしてみるといかにコードというものに自分の作曲や編曲が依存しているか、ということがよくわかるのです。同じ手法や考え方で書いているということの一つの分析方法ですね。そうして丸裸にしてみて、少しずつコードパートの依存度を下げてミックスまでしていくことに慣れれば、実は、そんなにコードパートがなくても成立できることもわかってくるかもしれません。

ラインの大切さ

コード以外のパートも充分に丁寧に見てあげることが大切です。特にベースは多くは単音で演奏する楽器ですから、ラインもさることながら、リズム感も影響します。そこで初めて、スケールというものが出てきてしかり、といった感じではないでしょうか。つまり、コードをアルペジオに分解することまではするのですが、スケールに絡めて考えてはいない、といった指摘なのです。もし、コードとスケールが同じ重さで考えられるようになってくるといわゆる「白玉」コードや延々と続くアルペジオから解放される日がくるのではないでしょうか。それだけで扱うアレンジの種類が2倍になるわけですから、是非一度チャレンジしてみてください。

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